メタルを軽視する奴は許さん!
何故、こんなことを言わなければならないんだろう……。
いつから、こんなことを言わなければならなくなったんだろう……。
こんな素晴らしい音楽に対して……。
しかし、世間でヘヴィメタルと言えば、
派手な衣装、うるさい音、荒くれた素行など、素晴らしい音楽とは掛け離れたイメージがあります。
確かに、それらが間違いであるとは言い切れません。
でも、そうしたイメージは一部の“ヴィジュアル系バンド”が誇張されたきらいがあります。
本来、ヘヴィメタルは単に激しい音楽という訳ではなく、
その音楽性、演奏技術の面から見ても、絶賛に値する音楽なのです。
また、音へのこだわりはもちろん、新たな分野を切り開こうとする意欲的なアーティストが多く、
音楽機材の進化と多様化に多大な影響を与えてきました。
そして、メタルは何年経っても色あせしません。
今でも昔のアルバムを新鮮な気持ちで聞くことができます。
それは、流行で作られた音楽ではないからです。
最初は同じように聞こえる音楽も、実は非常に奥が深く様々なジャンルを内包しています。
それは、幾多にも渡るサブジャンルという形に見ることができます。
また、北欧メタルに代表される叙情的メロディーは、日本人が馴染みやすいところでもあります。
そんな、素晴らしい音楽であるにもかかわらず、
先に挙げた世間的なイメージのみで、全てを決め付けてしまう人が少なくありません。
そもそも、そんなイメージを作り上げたのは、1980年代後半のバンドブームでした。
そこで忘れてならないのが、まだ無名に近かったXの存在。
当時、ロックやヘヴィメタルの世界では、音楽一筋という硬派なスタイルが重んじられており、
テレビでタレント的な活動をするミュージシャンは軽視される風潮がありました。
ところが、当時のXはそんなことお構いなしにテレビ出演を繰り返し、
派手なファッションと過剰なパフォーマンスで、お笑いのネタとなっていたのです。
それまで、音楽的な期待を持っていたにも係わらず、
このとき見せた、やりたい放題の姿に幻滅したメタルファンは少なくありません。
しかし、そんなメタルファンの思いをよそに、
テレビ出演によって新たなファン層を獲得したXは、結果的に成功を収めることになったのです。
でも、このXを“ヴィジュアル系バンド”と言っている訳ではありません。
確かにヴィジュアル系の元祖ですが、X自体はヴィジュアル系とは呼ばれません。
メディア登場時に見せた、メタルをお笑いのネタにした姿勢には疑問が残るもの、
最終的に音楽でファンの心をつかんだからなのでしょう。
また、こういう話題になると必ず出てくる聖飢魔IIですが、
彼らは音楽的にも高く評価できるメタルバンドなので、父ちゃんは受け入れちゃってます。
メタルファンの間では否定的な意見もありますが、
デーモン小暮閣下くらい極めれば、あの“素顔”も一つの個性として認めたくなります。
もっとも、聖飢魔IIの場合、
デビューした時期や方向性の違いから、ヴィジュアル系と呼ばれることは殆どありませんが……。
しかし、日本ではこうしたヴィジュアル色の強いバンドばかりメジャーになったため、
楽曲や演奏技術は二の次で、ヴィジュアルとパフォーマンスを重視するバンドが増えたのです。
なかには、全然メタルじゃないのにメタルを名乗るクソバンドまで登場する始末でした。
これが父ちゃんの言うヴィジュアル系バンド。
そして、ちょっとXっぽいファッションをしているバンドは全て「ヘビメタ」と見なされ、
音楽性を重視して活動していたバンドもクソバンドと同様の目で見られるようになったのです。
メタルを愛する者達にとって、これほど屈辱的なことはありません。
そのせいか、今でも20代後半〜40代前半の人達からは、
当初のXや、それを模倣したバンドによる偏ったイメージの発言が多く聞かれます。
元々、アンダーグラウンドな世界の音楽です。
既存の情報が少なかったことも、誤解を招く要因でした。
そこへ、初めて一般メディアに注目されたメタルバンドが、
正統派ヘヴィメタルを好む者達が色モノとして嫌っていたバンドだったのですから……。
皮肉なことです。
ヘヴィメタルが登場して30年余り。
いまだ、日本で活性化しないジャンルである原因として、
洋楽CDのレンタル規制に加え、
メタルに対する間違ったイメージが蔓延している状況は否めません。
ホント、もったいない……。 |
|